オレンジ色の路を
青い海に向かって歩いていた
銀色に輝く波のきらめきに
思わず足を止めて
波にゆれる
ここは別世界
色とりどりの時の流れのなかで
わたしはいったい
どんな色をしているのだろう
そこは夢色の世界
永遠をさえ願いながら
光りの中で踊る
やがて訪れる夜のとばり
ふたたび静寂と冷徹が支配する
ああ
はかないひとしずくの時よ
私を闇の縁に落とさないでおくれ
光りよ
教えて欲しい
いったいいつまで
春を待ち続けるのか
わたしの心は
いつまでも
いつまでも
置き去りにされた
白い冬
光りは応えた
あなたは春を待っているのか
そうではないはず
春はもうすでに来たのに
あなたは気付かなかった
春はあなたの前を素通りし
私の所に帰ってきた
あなたはしばしの夢を選んだ
あなたの見た夢は
冬のすべてのエネルギー
あなたはそれを使い果たし
冬に置き去りにされたという
それでも
全てを使い果たした冬は
今なお
あなたのためにそこにいる
あなたの心を白く灯している
そこは
心を描く夢色の世界
光りと闇を分ける世界
白い冬のとばりの中で
わたしは
優しさと安堵のぬくもりを
かみしめていた

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