風の嘆き
何度もこすって暖めた手が
ほらもう
こんなに冷たくなってる
今日はやけに寒いね
この小さな幸せが
どれほど大きな力になるかを
人は時々かみしめるものなんだね
こんな冷たい夜にも
どこかで誰かが
凍えた心を癒す場所を
探しているかもしれない
窓ガラスを叩き続ける
風の嘆きがこだまする
焦がれる団欒
かなえられない夢は
大きなうねりになって
叫び声をあげる
もう泣かないでもいいよと
包まれる愛を見つけるまで
温かい暖炉のような
命のぬくもりに触れるまで
そのふるえが止まることはないだろう
こんな冷たい夜
すべての人のための
命のぬくもりがあったなら
せめてたったひとつ
ぬくもりのひとかけらさえあったなら
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