2010年03月05日



最近
急に小さくなってしまった母
数年前までは
私より体格も良く
背も高かった母が
いつの間にか小さくなって
歩くこともままならず
ろれつも回らずで

そんな母の手を取りながら
歩いた病院の待合室
突然心に
こみ上げてきたもの

いつもなら
軽い口喧嘩が当たり前

心配して言ってるのに
言うことを聞かないとか
強情だとか
そんな思いに塞がれて
優しくしてあげることも
できなかった

こんな風に小さくなって
簡単に倒れてしまって
不自由が当たり前になって
優しくされると涙して
弱気な虫ばかりがわいてきて

そんな母を看てる自分
いつもの気合いが抜けてしまう
元気をあげる役目なんてできなくなる

もっと大切に
もっと思いやって
色んな所に連れて行って
沢山思い出を作ってあげれば良かった

今となっては
どこにも行けなくて
何も食べられなくて
観ることさえままならない

あと一年、早く気づいてあげていれば
もっと元気でいられたかもしれない

故郷は遠くにありて想うものとは
親が元気なうちに思うこと

今の私にとって
故郷(母)は瞼に沁みて消えぬもの

命の儚さを感じる度に
それが強くなっていく

人はこうして
後悔を繰り返し
心の痛みに悶えながら
学び続けていくのだろうか




瀬能裕子
posted by ネロリ at 17:50| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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