2005年06月22日

木村ユウさんのPoem

木村ユウさんのPoem
本

「影」

体に椿の匂いが残る。
僕は暗い坂道を上っていく。

人生はこれだけ?

僕はヘッドライトに照らされている。
ヘッドライトはすぐさま通り過ぎていく。
でもすぐにヘッドライトは、やってくる。
君は言う。
これだけ?

僕は言う。
僕らが歌を歌っていたのは、遠くだよ。
明日のことは何も知らず、
僕に言えることは何もなく、
ただいつもの朝がきて君に会いたい。


 木村ユウさんのPoemでした。
どんな状況で作られたPoemなのか、よくわからないんですが、
ただ、少ない言葉のなかにとても深い意味があるように思えます。
タイトルは「影」、場面は、椿の匂い、暗い上り坂、ヘッドライトなど、おそらくいつもと変わらない日常の背景、そんな中で、いつも出会う彼と彼女
 そんな場面を思い浮かべてみました。
 人生はこれだけ?
 彼女の問いかけには時間に流れがあるのに、彼の答えには静止した時を感じます。
 「僕らが歌を歌っていたのは、遠くだよ。」
 実際に歌っていたのか、象徴的な言葉なのかわかりませんが、二人に共通していた素敵な時間が、今はまるで影のように現実味を帯びなくなったのかもしれません。それでも、最後にたった一言、「ただいつもの朝が来て君に会いたい」。そこにたった一つの現実、大切な意味を感じます。
 木村ユウさんの素敵なPoemでした。ありがとうございました。猫ネロリ
posted by ネロリ at 02:08| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | Sea Side Story(reading poem) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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